秋はヴァータの季節:アーユルヴェーダ流 秋の過ごし方

朝、窓を開けたときの空気が少しひんやりして、手の甲がかさつく。日本の秋は、そんな小さな変化から始まることが多いものです。インドの伝統的な知恵であるアーユルヴェーダには、季節ごとの空気の性質を読み取り、暮らし方を少しずつ切り替えていく考え方があります。この記事では、よく言われる「秋はヴァータの季節」という言葉の意味と、日々の生活に無理なく取り入れられる秋の習慣を紹介します。
アーユルヴェーダと3つのドーシャ
アーユルヴェーダは古代インドで生まれた伝統医学の体系で、厚生労働省の統合医療情報発信サイト(eJIM)では、植物などの天然素材、食事、運動、生活習慣を組み合わせる方法として紹介されています。その中心にあるのが、ヴァータ、ピッタ、カパという3つの「ドーシャ」です。多くの人はどれか1つが優位で、3つのバランスは人によって異なると考えられています。
ヴァータはどんな性質か
ヴァータはサンスクリット語で「風」や「空気」を表す言葉です。伝統的には、乾いている、冷たい、軽い、細やか、動きやすい、といった性質をもつとされます。からだの中の「動き」全般に関わるものとして説明されてきました。
なお、ドーシャは伝統医学の考え方であり、現代科学で実証された概念ではありません。暮らしを見直すためのひとつの「ものさし」として楽しむのがちょうどよい距離感です。
なぜ「秋はヴァータの季節」と言われるのか
日本の秋を思い浮かべてみてください。湿度が下がって空気が乾き、朝晩と日中の気温差が大きくなり、台風のあとには強い風が吹きます。乾き、冷たさ、軽さ、動き。どれもヴァータの性質とよく似ています。そのため、現代のアーユルヴェーダの入門書などでは、秋を「ヴァータが目立ちやすい季節」として紹介することが多いのです。
インドの暦では少し違う
一方で、インドの古典的な暦では1年を6つの季節(リトゥ)に分けます。9月中旬から11月中旬ごろは「シャラド」と呼ばれ、古典ではピッタが高まる時期とされています。ヴァータが高まりやすいのは、その前の雨季「ヴァルシャ」で、暑さから急に涼しくなる気温の変化がきっかけになると説明されています。
雨季明けのインドはまだ日差しが強く、乾いて涼しい日本の秋とは景色がずいぶん違います。つまり「秋はヴァータ」という言い方は、暦を機械的に当てはめるより、いま自分が暮らしている土地の空気の性質を読むための目安と考えると理解しやすくなります。
秋の暮らしに取り入れやすい5つの習慣
アーユルヴェーダでは、ある性質が強い時期には、反対の性質をもつものを合わせるという考え方をします。乾いて冷たく、落ち着きのない秋には「温かさ」「しっとり感」「一定のリズム」を意識する、というのが基本の発想です。
| 場面 | 伝統的な考え方 | 取り入れ方の例 |
|---|---|---|
| 食事 | 冷たく乾いたものより、温かく油分のあるものを合わせる | 汁物や煮込み料理を1品増やす。冷たい飲み物は控えめに |
| 飲み物 | インドでは昔から温かいお湯を少しずつ飲む習慣がある | 朝に白湯を1杯、ゆっくり飲む |
| 1日のリズム | 「動」の性質には「一定」を合わせる | 起きる時間、食事の時間、寝る時間をなるべくそろえる |
| 肌のケア | オイルで体を包む「アビヤンガ」が伝統的に親しまれてきた | 入浴後、オイルやクリームで肌にうるおいを与える |
| 心の時間 | 香りや静けさで落ち着いた時間をつくる | 寝る前に照明を落とし、お香を焚いて10分ほど過ごす |
「一定のリズム」がいちばん手軽
5つのうち、道具がなくても今日から始められるのが生活リズムです。秋は日が短くなり、夜更かしをしやすい季節でもあります。まずは寝る時間を30分だけ早めて、そのまま1週間続けてみる。それくらいの小さな一歩で十分です。
オイルケアは「少量から」
インドの家庭では、オイルを手に取って体をやさしくなでる習慣が今も身近にあります。日本で試すなら、入浴後のまだ肌が温かいうちに、腕やすね、かかとなど乾きやすい部分から始めるのがおすすめです。はじめての製品は、腕の内側などで少量を試してから使いましょう。
秋の香り時間やお茶の時間に使える道具は、アーユルカイのライフスタイル商品一覧でご覧いただけます。
取り入れるときの注意
ここで紹介したのは、インドで伝統的に親しまれてきた暮らしの知恵です。医療の代わりになるものではありません。厚生労働省eJIMでも、健康上の問題がある場合はアーユルヴェーダ製品を使う前に医療者へ相談するよう呼びかけています。
体調や持病、妊娠中・授乳中の方は、使用前に医師に相談してください。
よくある質問
アーユルヴェーダでは、生まれもったバランスとは別に、季節や時間帯によってもドーシャの性質が表れやすくなると考えます。体質にかかわらず、季節の空気に合わせて暮らしを少し変える、という発想で取り入れてみてください。
暦の名前よりも、いま住んでいる場所の気候を見るのが現実的です。空気が乾いて風が冷たく感じたら、温かさとしっとり感を意識する。暑さが残る年は、無理に切り替えなくてもかまいません。
ありません。1つを2週間ほど続けて、心地よいと感じたら次を足していくほうが長続きします。まずは生活リズムか白湯のどちらかから始めるのが手軽です。
本記事はインド・アーユルヴェーダの伝統的知見と一般的な 健康情報を共有することを目的としたものであり、 医療アドバイスを目的としたものではありません。
当サイトで取り扱う商品は、日本国の薬機法上、医薬品ではなく 「食品」「化粧品」「雑貨」として販売しています。 疾病の診断・治療・予防を目的としたものではありません。
本記事に記載されている成分や伝統的な使用方法に関する情報は、 個人の体質や健康状態によって効果や感じ方に個人差があります。
妊娠中・授乳中の方、持病をお持ちの方、医薬品を服用中の方は、 ご使用前に必ず医師または薬剤師にご相談ください。 万一お身体に合わない場合は、ただちにご使用を中止してください。



