マイソール・サンダルウッド(白檀)の歴史と香りの楽しみ方

お寺の線香や扇子、匂い袋。白檀の香りは、日本の暮らしのなかでも意外なほど身近にあります。その白檀のなかでも、南インドのマイソール地方で育ったものは特に上質とされ、日本では「老山白檀」という別名でも呼ばれてきました。この記事では、白檀という木の特徴から、マイソールと白檀の歩み、そして家で香りを楽しむときのポイントまでを順に紹介します。
白檀(サンダルウッド)とはどんな木か
白檀は、学名を Santalum album というビャクダン科の常緑樹です。英語ではサンダルウッドと呼ばれます。自分の根をほかの木の根につなげて養分の一部を得る「半寄生」という、少し変わった性質をもっています。
香りは幹の中心に宿る
白檀の香りが強いのは、幹の中心部分にあたる心材です。心材は色が濃く香りもしっかりしていて、外側の辺材に近づくほど色は白っぽく、香りも弱くなります。幹が香りを帯びはじめるまでにおよそ10年、収穫に適した状態になるまでには20年ほどかかるとされています。長い時間をかけて育つ木であることが、白檀の価値を支えてきました。
国際的にも保護されている木
Santalum album は、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで「危急種(Vulnerable)」に分類されています。インド政府は白檀の木材の輸出を禁じており、今日では香りの原料として慎重に扱われる存在です。
マイソールと白檀の歴史
マイソール(現在の正式名はマイスール)は、インド南部カルナータカ州にある古都です。かつてマイソール藩王国の都として栄え、この一帯で採れる白檀は古くから重要な産物とされてきました。日本語版の百科事典でも、インドのマイソール地方で産する白檀がもっとも高品質とされると紹介されています。インドの人にとっても、「マイソール」と「白檀」は結びつきの強い言葉です。
第一次世界大戦がきっかけになった精油づくり
20世紀のはじめまで、マイソールの白檀の多くは丸太のまま海外へ運ばれ、ドイツで蒸留されていました。ところが1914年に第一次世界大戦が始まると、その流れが途絶えてしまいます。そこで当時のマイソール政府は、インド国内で白檀油をつくる道を探り、1916年から1917年にかけてマイソールに白檀油の蒸留所を設けました。
地理的表示としての「マイソール」
2006年には「Mysore Sandalwood Oil(マイソール・サンダルウッド・オイル)」が、インドの地理的表示(GI)法にもとづいて登録されました。産地の名前そのものが品質の目印として守られている点で、日本でいう地域ブランドに近い考え方です。
日本と白檀のつながり
白檀は仏教とともにインドから中国へ、そして中国から日本へ伝わったとされています。日本では線香の原料としてもっとも一般的な香木のひとつで、仏像や数珠などの仏具、扇子の骨、匂い袋の香料にも使われてきました。「栴檀(せんだん)は双葉より芳し」ということわざの栴檀も、白檀のことを指しています。
白檀の香りを楽しむアイテム比較
白檀の香りは、アイテムによって広がり方や楽しめる時間が変わります。暮らしに合わせて選んでみてください。
| アイテム | 香りの広がり方 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| スティック型のお香 | 細く長く、穏やかに広がる | 読書や家事の合間 |
| コーン型のお香(ドゥープ) | 短い時間でしっかり広がる | 帰宅後や来客前に部屋の空気を変えたいとき |
| 扇子・木製小物 | あおいだときや手に取ったときだけ、ほのかに香る | 外出先、夏の暑い日 |
| 匂い袋・サシェ | 火を使わず、近くでやさしく香る | クローゼット、バッグの中 |
コーン型のお香を焚くときのポイント
- 耐熱性のお香立てや、灰を入れた器の上で焚く
- カーテンや紙など、燃えやすいものから離して置く
- ときどき窓を開けて換気する
- 火がついている間は、その場を離れない
- 小さな子どもやペットの手が届かない場所で使う
香りの時間を暮らしに組み込むコツ
白檀の香りは主張が強すぎず、ほかの香りともなじみやすいのが特徴です。はじめのうちは、焚く時間と場所をひとつに決めておくと続けやすくなります。たとえば休日の朝に掃除を終えたあと、あるいは帰宅して着替えたあとの数分間。同じ場面で同じ香りを焚いていると、香りがその時間の合図のようになっていきます。
香りが強すぎると感じたら、焚く場所を部屋の隅に移したり、コーンを半分に割って使ったりして量を調整してみてください。焚き終わった灰は、完全に冷めてから片付けます。香りが部屋に残っている時間も含めて楽しめるのが、お香のよさです。
アーユルカイでは、インドから直接取り寄せたマイソール・サンダル ドゥープコーン(サンダルウッド・20個入り) を取り扱っています。白檀の小物やお香など、ほかのインドの雑貨はインド雑貨の一覧 からご覧いただけます。
体調や持病、妊娠中・授乳中の方は、使用前に医師に相談してください。煙や香りが苦手な方がいる場所では、使用を控えましょう。
よくある質問
日本では、インドのマイソール地方で採れる白檀を「老山白檀」と呼ぶことがあります。ただ、商品名としての使われ方は販売元によって異なるため、産地や原材料はパッケージの表示で確かめてください。
インドで「ドゥープ」と呼ばれる、棒の芯を使わないタイプのお香を円すい形に固めたものです。先端に火をつけ、炎を消してから煙と香りを楽しみます。
商品はインドから発送し、追跡番号をお知らせしています。送料は5,000円未満で500円、5,000円から9,999円で700円、10,000円以上で無料です。ご不明な点は support@ayurkai.jp までお問い合わせください。



